橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

MENU

令和元年(2019年) 電験三種 電力 問15

amazon kindle版の「最新令和2年版 電験三種」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。

 

問15は、汽力発電所の復水器に関する問題です。

計算問題です。

解いてみましょう。


 復水器の冷却に海水を使用し,運転している汽力発電所がある。このときの復水器冷却水流量は$30m^3/s$,復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は$3.1 \times 10^9 kJ/h$,海水の比熱容量は$4.0 kJ/(kg \cdot K)$,海水の密度は$1.1 \times 10^3 kg/m^3$,タービンの熱消費率は$8000kJ/(kW \cdot h)$である。


 この運転状態について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視するものとする。

 

(a)タービン出力の値[MW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ

(1)350  (2)500  (3)700  (4)800  (5)1000


(b)復水器冷却水の温度上昇の値[K]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)3.3  (2)4.7  (3)5.3  (4)6.5  (5)7.9

 


解答 (a):(3),(b):(4)  

 

(a)
熱損失=発電量P×(熱消費率-3600)より
$3.1 \times 10^9=P \times (8000-3600)$
$P=0.705×10^6 kW=705MW  \fallingdotseq 700 MW$


(b)
 復水器冷却水流量は$30m^3/s$,復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は$3.1 \times 10^9kJ/h$,海水の比熱容量は$4.0kJ/(kg \cdot K)$,海水の密度は$1.1 \times 10^3 kg/m^3$,

復水器冷却水が持ち去る毎秒熱量は$3.1 \times 10^9/3600=0.861 \times 10^6 kJ/s$
復水器冷却水流量は$30m^3/s$で、海水の密度は$1.1 \times 10^3kg/m^3$より、
1秒間当たりの重さは,$33×10^3kg$
海水の比熱容量は$4.0kJ/(kg \cdot K)$より、
$\dfrac{0.861 \times 10^6}{33 \times 10^3 \times 4.0}=6.52K$