橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成30年(2018年) 電験三種 機械 問15

問15は変圧器に関する問題です。

 


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 問15

 無負荷で一次電圧6600V,二次電圧200Vの単相変圧器がある。一次巻線抵抗$r_1=0.6\Omega$,一次巻線漏れリアクタンス$x_1=3 \Omega$,二次巻線抵抗$r_2=0.5m\Omega$,二次巻線漏れリアクタンス$x_2=3m\Omega$である。計算に当たっては,二次側の諸量を一次側に換算した簡易等価回路を用い,励磁回路は無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)この変圧器の一次側に換算したインピーダンスの大きさ[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)1.15  (2)3.60  (3)6.27  (4)6.37  (5)7.40

 

(b)この変圧器の二次側を200Vに保ち,容量200kV・A,力率0.8(遅れ)の負荷を接続した。このときの一次電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)6600  (2)6700  (3)6740  (4)6800  (5)6840

 

 


 

答え (a) : (4) ,(b) : (3)

(a)
1次側に換算すると次のような等価回路になります。

f:id:hashi-rei-channel:20190407221618p:plain



二次巻線抵抗$r_2=0.5m\Omega$,二次巻線漏れリアクタンス$x_2=3m\Omega$の1次側換算の値は、
$a=\dfrac{6600}{200}=33$
$a^2 r_2=0.5 \times 10^{-3} \times 33^2=0.5445 $
$a^2 x_2=3 \times 10^{-3} \times 33^2=3.267 $

一次巻線抵抗$r_1=0.6\Omega$,一次巻線漏れリアクタンス$x_1=3 \Omega$より
抵抗は$r=0.6+0.5445=1.1445$
リアクタンスは$3.267+3=6.267$
よって、$\sqrt{1.1445^2+6.267^2}=6.37 \Omega$

(b)
2次側の電流は$I=\dfrac{200 \times 10^3}{200}=1000A$

電圧降下は$IR \cos \theta+IX\sin \theta$より
$=(1.1445 \times 0.8+6.267 \times 0.6)\times \dfrac{1000}{33}=141.7V$

よって、1次側の電圧は
$6600+141.7=6741.7V$