橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成30年(2018年) 電験三種 電力 問14

問14は変圧器に使用される鉄心材料に関する問題です。

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 問14

 

 変圧器に使用される鉄心材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)鉄は,炭素の含有量を低減させることにより飽和磁束密度及び透磁率が増加し,保磁力が減少する傾向があるが,純鉄や低炭素鋼は電気抵抗が小さいため,一般に交流用途の鉄心材料には適さない。

(2)鉄は,けい素含有量の増加に伴って飽和磁束密度及び保磁力が減少し,透磁率及び電気抵抗が増加する傾向がある。そのため,けい素鋼板は交流用途の鉄心材料に広く使用されているが,けい素含有量の増加に伴って加工性や機械的強度が低下するという性質もある。

(3)鉄心材料のヒステリシス損は,ヒステリシス曲線が囲む面積と交番磁界の周波数に比例する。

(4)厚さの薄い鉄心材料を積層した積層鉄心は,積層した鉄心材料間で電流が流れないように鉄心材料の表面に絶縁被膜が施されており,鉄心材料の積層方向(厚さ方向)と磁束方向とが同一方向となるときに顕著な渦電流損の低減効果が得られる。

(5)鉄心材料に用いられるアモルファス磁性材料は,原子配列に規則性がない非結晶構造を有し,結晶構造を有するけい素鋼材と比較して鉄損が少ない。薄帯形状であることから巻鉄心形の鉄心に適しており,柱上変圧器などに使用されている。

  


 

答え (4)

 

「誤っている」に注意しましょう。

(4)厚さの薄い鉄心材料を積層した積層鉄心は,積層した鉄心材料間で電流が流れないように鉄心材料の表面に絶縁被膜が施されており,鉄心材料の積層方向(厚さ方向)と磁束方向とが同一方向となるときに顕著な渦電流損の低減効果が得られる。


鉄心材料の積層方向(厚さ方向)と磁束方向とが90°となるとき