橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 電力 基礎力向上テキスト-29

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7. 電気材料
 7.1 電気材料

 

 

 電気材料は絶縁材料,導電材料,磁性材料,抵抗材料,半導体材料などがあります。

(1)絶縁材料
 絶縁材料には,気体材料,液体材料,固体材料があります。

<気体材料>
気体材料でよく出題されるのは,SF6ガス(六フッ化硫黄ガス)です。
 SF6ガスを加圧して,ガス絶縁開閉装置,ガス絶縁変圧器,地中送電線に用いられるGIL(管路気中送電線)などがあります。SF6ガスの特徴として,

・化学的に安定しており,無色,無臭,無害
・不燃性
・絶縁耐力が高い
・消弧能力が高い
・誘電比率1で誘電体損失がほとんど無視できる
・温暖化への影響が大きい

<液体材料>
 原油から作られるのが鉱油です。鉱油は空気で酸化するので,酸化防止のため窒素を封入します。水分によって絶縁劣化します。可燃性であるため,取扱いに注意が必要です。

<固体材料>
 固体材料としては,ガラスやセラミック製品,紙などの材料,ゴムや架橋ポリエチレンなどの高分子材料があります。


(2)導電材料
 送電線で使用する導電材料は,銅とアルミニウムがほとんどです。
導電率は(標準軟銅を基準にして)
硬銅が96~98%
アルミニウムが61%

 要求される条件としては,引張り強さ,加工しやすさ,耐食性,価格が安価であることなどです。
アルミニウムが使用される理由は,比重が銅の約30%と軽く,同じ重さの銅と比較して2倍の電流が流せることです。また,耐食性,加工性がよく安価なところです。


(3)磁性材料
 鉄心などに用いられる磁性材料に要求される条件は,残留磁気および保磁力が小さく,ヒステリシス損が少ない。透磁率も抵抗率大きいことが求められます。抵抗率が大きいと渦電流損は小さくなります。この磁性材料に用いられるのはケイ素鋼板とアモルファスがあります。