橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 法規 問10

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問10は、保護協調に関する問題です。

解いてみましょう。


 

 次のa)~e)の文章は,図の高圧受電設備における保護協調に関する記述である。

 これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

a)受電設備内(図中A点)において短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が,一般送配電事業者の配電用変電所の送り出し遮断器よりも早く動作するようにOCR(過電流継電器)の整定値を決定した。

b)TR2(変圧器)の低圧側で,かつMCCB2(配線用遮断器)の電源側(図中B点)で短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。

c)低圧のMCCB2(配線用遮断器)の負荷側(図中C点)で短絡事故が発生した場合,MCCB2(配線用遮断器)が動作するよりも先にLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断しないように設計した。

d)SC(高圧コンデンサ)の端子間(図中D点)で短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS3(負荷開閉器)のPF3(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。

e)GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)は,高圧引込ケーブルで1線地絡事故が発生した場合であっても動作しないように設計した。

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   a    b    c    d    e  
(1) 適切  適切  適切  適切 不適切 
(2) 不適切  不適切 適切  不適切 適切 
(3) 適切  適切  不適切  不適切  不適切 
(4) 適切  不適切  適切 適切  適切
(5) 不適切 適切  不適切 不適切 不適切

 



解答(1)   

 

a)受電設備内(図中A点)において短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が,一般送配電事業者の配電用変電所の送り出し遮断器よりも早く動作するようにOCR(過電流継電器)の整定値を決定した。・・・適切

 配電用変電所の送り出し遮断器よりVCB(真空遮断器)が早く動作することにより、事故の波及が広がらないように、事故点を遮断する。

b)TR2(変圧器)の低圧側で,かつMCCB2(配線用遮断器)の電源側(図中B点)で短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。・・・適切

(a)と同様に、事故が他の低圧線路に波及しないように、事故点Bを切り離すことができる。

c)低圧のMCCB2(配線用遮断器)の負荷側(図中C点)で短絡事故が発生した場合,MCCB2(配線用遮断器)が動作するよりも先にLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断しないように設計した。・・・適切

(b)と同様に適切

d)SC(高圧コンデンサ)の端子間(図中D点)で短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS3(負荷開閉器)のPF3(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。・・・適切

(b)と同様に適切


e)GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)は,高圧引込ケーブルで1線地絡事故が発生した場合であっても動作しないように設計した。・・・不適切

地絡事故が他の線路に波及するので、GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)を動作させなければなりません。