橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 法規 問11

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問11は、保護協調に関する問題です。

解いてみましょう。


 

 図のように既設の高圧架空電線路から,高圧架空電線を高低差なく径間30m延長することにした。

 新設支持物にA種鉄筋コンクリート柱を使用し,引留支持物とするため支線を電線路の延長方向4mの地点に図のように設ける。電線と支線の支持物への取付け高さはともに8mであるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

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(a)電線の水平張力が15kNであり,その張力を支線で全て支えるものとしたとき,支線に生じる引張荷重の値[kN]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)7  (2)15  (3)30  (4)34  (5)67


(b)支線の安全率を1.5とした場合,支線の最少素線条数として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし,支線の素線には,直径2.9mmの亜鉛めっき鋼より線(引張強さ1.23kN/mm2)を使用し,素線のより合わせによる引張荷重の減少係数は無視するものとする。

(1)3  (2)5  (3)7  (4)9  (5)19



解答(a):(4),(b):(3)   

 

図のように、水平張力が$P=15kN$、支線に生じる引張荷重$T[kN]$とすると、

$P=T \sin \theta$とおけるので、

$T=\dfrac{P}{\sin \theta}=\dfrac{15 \times \sqrt{4^2+8^2}}{4}=33.54kN\fallingdotseq 34kN$

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(b)
直径2.9mmの亜鉛めっき鋼より線(引張強さ1.23kN/mm2)を使用するので、1条あたりの引っ張り強さは、

$\pi \left( \dfrac{2.9}{2}\right)^2\times 1.23=8.124kN$

 必要な素線数は支線の安全率を1.5とするので、

$\dfrac{34}{8.124}\times 1.5=6.28$
よって、支線の最少素線条数は7本