電験三種 電力 基礎力向上テキスト-27
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そちらも見て下さい。
6.2 高圧,低圧配電方式
(1)樹枝状配電(放射状配電)
ある幹線から,枝が伸びるように分岐して配電する方法で,需要に応じて配電することができるが,事故によって停電が広範囲に広がります。
(2)ループ式(環状式)配電
ループ式配電は故障が発生した箇所を,開閉器で切り離すことによって停電の範囲を少なくする方式です。建設費はやや高くなり,保護方式も少し複雑になりますが,信頼性は向上します。
(3)スポットネットワーク方式
スポットネットワークは,1次側の母線が故障しても他の2つの配電線で供給が可能となります。信頼性が高いので,高層ビルや大工場向けの配電方式です。建設費は高くなります。
(4)レギュラーネットワーク方式(低圧)
レギュラーネットワーク方式は,図に示すように格子状になっているため,故障個所が切り離され,停電箇所が限定され,信頼性が高いネットワークです。建設費が高いので,高密度の負荷の繁華街や商店街で採用されます。
(5)低圧バンキング方式
低圧バンキング方式は,図に示すように複数の変圧器で高圧と低圧側を接続する方式で,電圧降下や電力損失を減少できます。樹枝状配電より信頼性は向上しますが,建設費は高くなります。また,保護協調が不適切な場合,事故が次々に波及していくというカスケーディングが起こります。