橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成28年(2016年) 電験三種 機械 問1

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 電機子巻線抵抗が0.2Ωである直流分巻電動機がある。この電動機では界磁抵抗器が界磁巻線に直列に接続されており界磁電流を調整することができる。また,この電動機には定トルク負荷が接続されており,その負荷が要求するトルクは定常状態においては回転速度によらない一定値となる。
 この電動機を,負荷を接続した状態で端子電圧を100Vとして運転したところ,回転速度は${\rm 1500 min^{-1}}$であり,電機子電流は50Aであった。この状態から,端子電圧を115Vに変化させ,界磁電流を端子電圧が100Vのときと同じ値に調整したところ,回転速度が変化し最終的にある値で一定となった。この電動機の最終的な回転速度の値${\rm min^{-1}}$として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 ただし,電機子電流の最終的な値は端子電圧が100Vのときと同じである。また,電機子反作用及びブラシによる電圧降下は無視できるものとする。

(1)1290  (2)1700  (3)1730  (4)1750  (5)1950

 


解答 (4)  

 

分巻電動機の電圧の公式は
$V=E+I_a r_a$
電機子巻線抵抗が0.2Ω,電機子電流は50A,端子電圧を100Vより

$E=V-I_a r_a=100-50 \times 0.2=90 V$

端子電圧を115Vに変化させても電機子電流の最終的な値は端子電圧が100Vのときと同じなので,
$E'=V'-I_a r_a=115-50 \times 0.2=105 V$

回転数$N=\dfrac{V-I_a r_a}{k \phi}=\dfrac{E}{k \phi}$より
電機子電流は変化しないので,回転数は逆起電力に比例する。
$N=1500 \times \dfrac{105}{90}=1750 min^{-1}$