橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和2年(2020年) 電験三種 電力 問6

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  問6

 架空送電線路に関連する設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。

(2)超高圧の架空送電線では,スペーサを用いた多導体化により,コロナ放電の抑制が図られている。スペーサはギャロツビングの防止にも効果的である。

(3)架空送電線を鉄塔などに固定する絶縁体としてがいしが用いられている。アークホーンをがいしと併設することで,雷撃等をきっかけに発生するアーク放電からがいしを保護することができる。

(4)架空送電線への雷撃を防止するために架空地線が設けられており,遮へい角が小さいほど雷撃防止の効果が大きい。

(5)鉄塔又は架空地線に直撃雷があると,鉄塔から送電線へ逆フラッシオーバが起こることがある。埋設地線等により鉄塔の接地抵抗を小さくすることで,逆フラッシオーバの抑制が図られている。

 


 

答え (1)

 

(1)電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動する「サブスパン振動」が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。

「サブスパン振動」が誤っています。「微風振動」が正しい。

「サブスパン振動」は、多導体の場合で、風速が10m/s以上のときスペーサとスペーサ間の電線の固有振動数が一致した場合に、振動(共振)が発生します。この振動により、スペーサの緩み、電線の損傷が発生します。

 

他の振動として、ギャロッピング、スリートジャンプ。コロナ振動があります。
・ギャロッピングは電線に付着した氷雪が風により、揚力を生じ振動し、相間短絡などを発生させる原因になります。

・スリートジャンプは、電線に付着した氷雪が落ちるときに、反動で電線が上下に振動することです。これも相間短絡などを発生させる原因となります。

・コロナ振動は、雨天に付着した水によるコロナ放電時の、放出される付着した水の反動で振動します。