基礎から学ぶ制御工学-5
基礎から学ぶ制御工学
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2.1 電気工学の基本要素
(2)コイル
図2.1.2に示すコイルの回路の場合は、レンツの法則が働き、電流$i$と出力電圧$e_o$は1対1の関係とならず、現在の値が、過去の値に影響を受ける、過渡現象を生じます。 図2.1.2に示すコイルの回路の場合は、レンツの法則が働き、電流$i$と出力電圧$e_o$は1対1の関係とならず、現在の値が、過去の値に影響を受ける、過渡現象を生じます。
$e_o(t)=L \dfrac{d}{dt} i(t)$ ・・・(2.1.2)
スイッチを入れた瞬間は、コイルのインピーダンスZは
$Z=j \omega L$ ・・・(2.1.3)
より、インピーダンスは無限大となり、電流が流れません。その後、しだいに電流が流れ始めます。定常状態ではコイルのインピーダンスは0となり、出力電圧$e_o$も0になります。
このような、電流$i$と出力電圧$e_o$の値は、過去の値に影響を受け、式(2.1.2)に示すような、微分方程式となります。このようなシステムをダイナミカルシステム(動的システム)と呼びます。