橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-46

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そちらも見て下さい。 

 


第8編 電気・電子計測

3. 分流器と倍率器
(1)分流器
 図2.3に示すように,分流器がない場合は,電流計は$I[A]$までしか測定できない。しかし,分流器を付けることによって,分流器側に$I_R[A]$流れるので,電流計側には$I_r=I-I_R [A]$しか流れなくなります。つまり,見かけ上$I=I_r+I_R[A]$測定が可能になります。

 

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 電流計の指示値の$X$倍の大きさ測りたいと考え,このときの分流器の値を求めます。$X$倍なので次式が成り立ちます。
$X=\dfrac{I}{I_r}=\dfrac{I_R+I_r}{I_r}=\dfrac{I_R}{I_r}+1$
 
 このとき,電流の関係は電圧が等しいことから次式のようになる。
$R I_R=r I_r$ 

これを変形すると
$\dfrac{I_R}{R_r}=\dfrac{r}{R}$

これを代入すると

$X=\dfrac{r}{R}+1$

これを変形して,
$R=\dfrac{r}{X-1}$
となります。この抵抗$R$を電流計に並列に接続することによって,電流計に指示値を$X$倍した値を読み取れば,電流が計測できます。