電験三種の電気数学-16-1
amazon kindle版の「電験三種の電気数学」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
数字の基礎、ベクトルです。
これも以外とやっかいですが、交流回路では必ず必要になります。
1 ベクトルとは
中学校の理科や物理で勉強したように、力や速度には「向き」とその方向への力または速さの「大きさ」の2つを矢印で決めていました。この矢印を「有向線分」と呼びます。
有向線分は図のような矢印で表されます。この有向線分のXを始点、Yを終点よ呼びます。
このような有向線分をベクトルと呼びます。ベクトルは始点がどこにあってもよく、その向きと大きさだけで決まります。
先ほどの図で示した有向線分XYで表されるベクトルを$\overrightarrow{XY}$と書きます。$\overrightarrow{x}$のように1文字で表すこともあります。また、数学では太文字で、電気回路では$\dot{x}$のように上に点を打って表します。
$\vert \overrightarrow{x} \vert $のようにベクトルの絶対値はベクトルの大きさを表しています。大きさが1のベクトルは単位ベクトルとなります。大きさが0のベクトルは零ベクトル$\overrightarrow{0}$です。
ベクトル$\overrightarrow{x}$,$\overrightarrow{y}$が向きと大きさが等しいベクトルは、$\overrightarrow{x}=\overrightarrow{y}$であり、ベクトル$\overrightarrow{x}$,$\overrightarrow{y}$は等しい。また逆ベクトルは大きさは等しく向きが逆なベクトルで、元のベクトル$\overrightarrow{x}$に対して逆ベクトルは$-\overrightarrow{x}$で表します。