橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種の電気数学-16-1

amazon kindle版の「電験三種の電気数学」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。

 

数字の基礎、ベクトルです。

これも以外とやっかいですが、交流回路では必ず必要になります。
 


1 ベクトルとは
 中学校の理科や物理で勉強したように、力や速度には「向き」とその方向への力または速さの「大きさ」の2つを矢印で決めていました。この矢印を「有向線分」と呼びます。
 有向線分は図のような矢印で表されます。この有向線分のXを始点、Yを終点よ呼びます。

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 このような有向線分をベクトルと呼びます。ベクトルは始点がどこにあってもよく、その向きと大きさだけで決まります。

 先ほどの図で示した有向線分XYで表されるベクトルを$\overrightarrow{XY}$と書きます。$\overrightarrow{x}$のように1文字で表すこともあります。また、数学では太文字で、電気回路では$\dot{x}$のように上に点を打って表します。

 $\vert \overrightarrow{x} \vert $のようにベクトルの絶対値はベクトルの大きさを表しています。大きさが1のベクトルは単位ベクトルとなります。大きさが0のベクトルは零ベクトル$\overrightarrow{0}$です。


 ベクトル$\overrightarrow{x}$,$\overrightarrow{y}$が向きと大きさが等しいベクトルは、$\overrightarrow{x}=\overrightarrow{y}$であり、ベクトル$\overrightarrow{x}$,$\overrightarrow{y}$は等しい。また逆ベクトルは大きさは等しく向きが逆なベクトルで、元のベクトル$\overrightarrow{x}$に対して逆ベクトルは$-\overrightarrow{x}$で表します。

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