橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種の電気数学-8

amazon kindle版の「電験三種の電気数学」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。

 

数字の基礎、2次方程式です。


1. 2次方程式の解

 電験三種の問題で、計算を行う際、水力発電の水車の比速度の公式のように、分数の指数を持つ公式もありますが、2次方程式を解く問題が出題されています。最大電力の法則も2次方程式を利用することによって解くことができます。
 変数$x$にある値を入れたときに成り立つ式を方程式と呼びます。$x$についての2次方程式は次のように表されます。
$ax^2+bx+c=0$
ただし,$a,b,c$は定数

$x$の値を求める方法として,
(1)因数分解を用いる方法
 2つの解を$\alpha , \beta$とすると$ax^2+bx+c=0$の方程式は次式のように因数分解できます。
$a(x-\alpha)(x-\beta)=0$

このとき、この方程式が成り立つには$x=\alpha,x=\beta$のときです。

 

(2)因数定理を用いる方法
 方程式に$x=\alpha$を代入して,方程式が$0$となるとき,$(x-\alpha)$を因数を持ち因数分解できます。因数分解できるので、(1)のように計算ができます。因数定理は数学IIで学びます。

(3)解の公式を用いる方法
$ax^2+bx+c=0$の方程式の解は次式で表されます。

$x=\dfrac{-b \pm \sqrt{b^2-4 a c }}{2 a}$

 

2. 判別式

 2次方程式$ax^2+bx+c=0$において,$D=b^2-4 a c$とおきます。
・$D \gt 0$ のとき,異なる2つの実数解をもつ
・$D=0$ のとき,2重解をもつ。実数解を1つだけ持つ
・$D \lt 0$ のとき,実数解を持ちません。(異なる2つの虚数解を持ちます。)


3. 2次関数のグラフ


 $y=ax^2+bx+c=0$の式は$x$についての2次式となり、2次関数と呼ばれています。ただし、$a \neq 0$,$a,b,c$は定数。2次関数のグラフは放物線を描きます。
 最も簡単な2次関数$y=ax^2$について考えてみましょう。
図に示すように
$a=1$のとき($a \gt 0$)下に凸
$a=-1$のとき($a \lt 0$)上に凸
のグラフになります。

 

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$y=ax^2(a \gt 0)$グラフを$x$軸方向に$ m $、$y$軸方向に$n$移動させると式は
$y-n=a(x-m)^2$
$y=a(x-m)^2+n$
となります。これをグラフで描くと次のようになります。グラフでは$m \gt 0, n \gt 0$としています。

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4. 2次関数の標準形

 $y=ax^2+bx+c$の式を変形して$y=a(x-m)^2+n$の形の式にしたものを、平方完成(標準形)と呼びます。
 $y=ax^2+bx+c$の式を平方完成(標準形)すると、次式のように表されます。

$y=a \left( x+\dfrac{b}{2 a} \right)^2-\dfrac{b^2}{4 a}+c$


軸は$x=-\dfrac{b}{2 a}$,頂点$\left(-\dfrac{b}{2 a} ,-\dfrac{b^2}{4 a}+c\right)$はとなります。

 

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