平成30年(2018年) 電験三種 理論 問2
問2はコンデンサの問題です。
この問題は確実に押さえておきたい問題です。
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次の文章は,平行板コンデンサの電界に関する記述である。
極板間距離$d_0{\rm [m]}$の平行板空気コンデンサの極板間電圧を一定とする。
極板と同形同面積の固体誘電体(比誘電率$\epsilon_r>1$,厚さ$d_1 {\rm [m]} < d_0{\rm [m]}$)を極板と平行に挿入すると,空気ギャップの電界の強さは,固体誘電体を挿入する前の値と比べて[ (ア) ]。
また,極板と同形同面積の導体(厚さ$d_2 {\rm [m]}< d_0{\rm [m]}$)を極板と平行に挿入すると,空気ギャップの電界の強さは,導体を挿入する前の値と比べて[ (イ) ]。
ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。
上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして,正しいものを
次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア)
|
(イ)
|
|
(1) | 強くなる | 強くなる |
(2) | 強くなる | 弱くなる |
(3) | 弱くなる | 強くなる |
(4) | 弱くなる | 弱くなる |
(5) | 変わらない | 変わらない |
答え(1)
[ ア ]
たとえば、$300V$の電圧が加わっていた場合、$d=1$とすると、$V=Ed$より$E=300$
(ここでは単位は考えません。)
比誘電率2、厚さが$\dfrac{1}{2}$の誘電体を挿入したとしたときについて考える。
$C=\epsilon \dfrac{S}{l}$より、
空気ギャップのコンデンサの静電容量は$2C$、誘電体の挿入されたコンデンサは$4C$となる。
$Q=CV$より、空気ギャップのコンデンサ、誘電体の挿入されたコンデンサの電荷は同じなので、空気ギャップのコンデンサに$200V$の電圧が加わる。
$d=0.5$なので、$E=400$となる。
このように、誘電体を挿入すると、空気ギャップ部の電界の強さは「強くなる」
[ イ ]
$V=Ed$となるので、
導体を挿入すると、導体は電極と考えられるので、空気ギャップ$d$は小さくなり、電圧$V$は変わらないので、$E$は「強くなる。」