橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成30年(2018年) 電験三種 理論 問2

問2はコンデンサの問題です。

この問題は確実に押さえておきたい問題です。


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 次の文章は,平行板コンデンサの電界に関する記述である。

 極板間距離$d_0{\rm [m]}$の平行板空気コンデンサの極板間電圧を一定とする。
 極板と同形同面積の固体誘電体(比誘電率$\epsilon_r>1$,厚さ$d_1 {\rm [m]} < d_0{\rm [m]}$)を極板と平行に挿入すると,空気ギャップの電界の強さは,固体誘電体を挿入する前の値と比べて[ (ア) ]。

 また,極板と同形同面積の導体(厚さ$d_2 {\rm [m]}< d_0{\rm [m]}$)を極板と平行に挿入すると,空気ギャップの電界の強さは,導体を挿入する前の値と比べて[ (イ) ]。
 ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。

 上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして,正しいものを
次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

 
(ア)
(イ)
(1) 強くなる 強くなる
(2) 強くなる 弱くなる
(3) 弱くなる 強くなる
(4) 弱くなる 弱くなる
(5) 変わらない 変わらない

 

答え(1)

[ ア ]

たとえば、$300V$の電圧が加わっていた場合、$d=1$とすると、$V=Ed$より$E=300$

(ここでは単位は考えません。)

誘電率2、厚さが$\dfrac{1}{2}$の誘電体を挿入したとしたときについて考える。

$C=\epsilon \dfrac{S}{l}$より、

空気ギャップのコンデンサの静電容量は$2C$、誘電体の挿入されたコンデンサは$4C$となる。

$Q=CV$より、空気ギャップのコンデンサ、誘電体の挿入されたコンデンサ電荷は同じなので、空気ギャップのコンデンサに$200V$の電圧が加わる。

$d=0.5$なので、$E=400$となる。

 

このように、誘電体を挿入すると、空気ギャップ部の電界の強さは「強くなる」

 

[ イ ]

$V=Ed$となるので、

導体を挿入すると、導体は電極と考えられるので、空気ギャップ$d$は小さくなり、電圧$V$は変わらないので、$E$は「強くなる。」