橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 法規 問13

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問13は、需要率,負荷率,不等率に関する問題です。

解いてみましょう。


 

 需要家A~Cにのみ電力を供給している変電所がある。

 各需要家の設備容量と,ある1日(0~24時)の需要率,負荷率及び需要家A~Cの不等率を表に示す値とする。表の記載に基づき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

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(a)3需要家A~Cの1日の需要電力量を合計した総需要電力量の値[kW・h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)10480  (2)16370  (3)20460 
(4)26650  (5)27840

 

(b)変電所から見た総合負荷率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,送電損失,需要家受電設備損失は無視するものとする。

(1)42 (2)59 (3)62 (4)73 (5)80

 



解答(a):(2),(b):(4)   

 

(a)

$ \mbox{需要率}=\dfrac{ \mbox{最大需要電力}}{ \mbox{負荷設備容量の合計}}\times 100\% $

$ \mbox{負荷率}=\dfrac{ \mbox{平均需要電力}}{ \mbox{最大需要電力}}\times 100\% $

$ \mbox{不等率}=\dfrac{ \mbox{個別の負荷の最大需要電力の合計}}{ \mbox{合成最大需要電力}}\times 100\% $

 


より、計算を行います。需要率より最大需要電力は
A:$800 \times 0.55=440kW$
B:$500 \times 0.6=300kW$
C:$600 \times 0.7=420kW$

負荷率より平均需要電力は
A:$440 \times 0.5=220kW$
B:$300 \times 0.7=210kW$
C:$420 \times 0.6=252kW$

A,B,Cの平均需要電力の合計は
$220+210+252=682kW$

よって、A~Cの1日の需要電力量を合計した総需要電力量の値[kW・h]は
$682 \times 24=16368 \fallingdotseq 16370[kW \cdot h]$

(b)
個別の負荷の最大需要電力合計は
$440+300+420=1160kW$

不等率は$1.25$より、合成最大需要電力は
$1160 \div 1.25=928kW$

(a)より$A,B,C$の平均需要電力の合計は$682kW$

$\mbox{合成した負荷率}=\dfrac{\mbox{平均需要電力の和}}{\mbox{合成最大需要電力}}\times 100 =\dfrac{682}{928}\times 100=73.4\fallingdotseq 73 \%$