橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成28年(2016年) 電験三種 電力 問9

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そちらも見て下さい。

  



 


 図のように,こう長$5{\rm km}$の三相$3$線式$1$回線の送電線路がある。この送電線路における送電端線間電圧が$22200{\rm V}$,受電端線間電圧が$22000{\rm V}$,負荷力率が$85\%$(遅れ)であるとき,負荷の有効電力${\rm [kW]}$として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 ただし,$1{\rm km}$当たりの電線$1$線の抵抗は$0.182 \Omega$,リアクタンスは$0.355 \Omega$とし,その他の条件はないものとする。なお,本問では,送電端線間電圧と受電端線間電圧との位相角は小さいとして得られる近似式を用いて解答すること。

 

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(1)568  (2)937  (3)2189  (4)3277  (5)5675

 

 


解答 (3)  

$1km$当たりの電線1線の抵抗は$0.182\Omega$,リアクタンスは$0.355\Omega$より
$5km$の抵抗は$0.91\Omega$,リアクタンスは$1.775\Omega$

電圧降下は$200V$,また,送電端電圧と受電端電圧の位相角は無視して良いので
力率を考慮すると,線電流Iは
$I=\dfrac{200} {\sqrt{3} (0.91 \times 0.85+1.775 \times (1-0.85^2))}=67.584$


よって,電力$P$は
$P=\sqrt{3} VI \cos \theta=\sqrt{3} 22000 \times 67.584 \times 0.85=2189004W=2189kW$