橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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基礎から学ぶ制御工学-25

基礎から学ぶ制御工学

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5.5.3 フルビッツの安定判別法

 

 フルビッツの安定判別法もラウスの安定判別法と同じ結果が得られるが、計算方法が、フルビッツの安定判別法が行列式を用いるので、少し難しくなっています。
 フルビッツの安定判別法について説明します。伝達関数は先ほどと同じ式を用います。
$G(s)=\dfrac{1}{s^5+2s^4+4s^3+5s^2+3s+2}$・・・(5.5.5)

 

 5次式なので、5×5の正方行列を作成します。
1行目は、2 5 2 0 0
2行目は、1 4 3 0 0
3行目は、0 2 5 2 0 1行目を一つずらす。
4行目は、0 1 4 3 0 2行目を一つずらす。
5行目は、0 0 2 5 2 3行目を一つずらす。
となるように、行列を作成します。

f:id:GO-AHEAD:20200624150616p:plain・・・(5.5.6)
この行列から行列式を次式のように求めます。
$H_1=2$・・・(5.5.7)

f:id:GO-AHEAD:20200624150651p:plain・・・(5.5.8)

f:id:GO-AHEAD:20200624150755p:plain・・・(5.5.9)

f:id:GO-AHEAD:20200624151011p:plain

・・・(5.5.10)

f:id:GO-AHEAD:20200624151052p:plain

・・・(5.5.11)

 

条件1:係数が全て正である。
条件2:$H_1$~$H_5$が全て正である。

 

よって、条件1、条件2より、この伝達関数は安定であることが分かります。