平成29年(2017年) 電験三種 法規 問11
amazon kindle版の「最新令和2年版 電験三種」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
※法規に関する法律は毎年変わってきますので、最新の法規を確認して下さい。
問11
電気使用場所の配線に関し,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 電気使用場所の配線に関し,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a)次の文章は,「電気設備技術基準」における電気使用場所の配線に関する記述の一部である。① 配線は,施設場所の[ (ア) ]及び電圧に応じ,感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
② 配線の使用電線(裸電線及び[ (イ) ]で使用する接触電線を除く。)には,感電又は火災のおそれがないよう,施設場所の[ (ア) ]及び電圧に応じ,使用上十分な[ (ウ) ]及び絶縁性能を有するものでなければならない。
③ 配線は,他の配線,弱電流電線等と接近し,又は[ (エ) ]する場合は,[ (オ) ]による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
---|---|---|---|---|---|
(1) | 状況 | 特別高圧 | 耐熱性 | 接触 | 混触 |
(2) | 環境 | 高圧又は特別高圧 | 強度 | 交さ | 混触 |
(3) | 環境 | 特別高圧 | 強度 | 接触 | 電磁誘導 |
(4) | 環境 | 高圧又は特別高圧 | 耐熱性 | 交さ | 電磁誘導 |
(5) | 状況 | 特別高圧 | 強度 | 交さ | 混触 |
(b)周囲温度が50℃の場所において,定格電圧210Vの三相3線式で定格消費電力15kWの抵抗負荷に電気を供給する低圧屋内配線がある。金属管工事により絶縁電線を同一管内に収めて施設する場合に使用する電線(各相それぞれ1本とする。)の導体の公称断面積$[mm^2]$の最小値は,「電気設備技術基準の解釈」に基づけば,いくらとなるか。正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,使用する絶縁電線は,耐熱性を有する$600V$ビニル絶縁電線(軟銅より線)とし,表1の許容電流及び表2の電流減少係数を用いるとともに,この絶縁電線の周囲温度による許容電流補正係数の計算式は$\sqrt{\dfrac{75-\theta}{30}}$($\theta $は周囲温度で,単位は℃)を用いるものとする。
表1 | |
---|---|
導体の公称断面積$[mm^2]$ | 許容電流$[A]$ |
3.5 | 37 |
5.5 | 49 |
8 | 61 |
14 | 88 |
22 | 115 |
表2 |
|
---|---|
同一管内の電線数 | 電流減少係数 |
3以下 | 0.70 |
4 | 0.63 |
5 又は6 | 0.56 |
(1)3.5 (2)5.5 (3)8 (4)14 (5)22
答え (a) : (5) ,(b) : (4)
(a)
① 配線は,施設場所の[ 状況 ]及び電圧に応じ,感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
② 配線の使用電線(裸電線及び[ 特別高圧 ]で使用する接触電線を除く。)には,感電又は火災のおそれがないよう,施設場所の[ 状況 ]及び電圧に応じ,使用上十分な[ 強度 ]及び絶縁性能を有するものでなければならない。
③ 配線は,他の配線,弱電流電線等と接近し,又は[ 交さ ]する場合は,[ 混触 ]による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
(b)
まず,電線を流れる線電流$I$を計算する。
$I=\dfrac{P}{\sqrt{3} V}=41.24 A$
絶縁電線の周囲温度による許容電流補正係数の計算式は$\sqrt{\dfrac{75-\theta}{30}}$($\theta $は周囲温度で,単位は℃)より,
周囲温度は50℃より
$\sqrt{\dfrac{75-50}{30}}=0.913$
$\dfrac{41.24}{0.913}=45.17 A$
次に,三相3線式より同一管内の電線数は3なので,表2より電流減少係数は0.7
よって
$\dfrac{45.17}{0.7}=64.53 A$
よって,表1より許容電流[A]$88 A$以下となるので
導体の公称断面積$[mm^2]$は$14[mm^2]$