橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-41

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そちらも見て下さい。 

 


  第6編 磁界

 10. 磁化曲線とヒステリシスループ
 図2-10に透磁率と$B-H$曲線を示します。透磁率は磁界の強さ$H$が大きくなるに従って大きくなり,最大透磁率に達します。その後磁界の強さ$H$が大きくなるに従って小さくなり,$H$が無限大に近づくと,真空の透磁率$\mu_0$に近づいていきます。
 磁束密度$B$は,磁界の強さ$H$を大きくすると大きくなりますが,さらに磁界の強さを大きくしていくと磁気飽和してあまり増加しなくなります。

 

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 図2-11に磁界の強さ$H$を$\pm H_m$に交互に変化させた場合の磁化曲線を示します。この磁化曲線はヒステリシスループを描きます。
 ヒステリシスループの$B_r$は残留磁気,$H_c$は保持力と呼ばれます。ヒステリシスループは熱損失となって現れ,これをヒステリシス損と呼びます。このヒステリシス損は変圧器や発電機などで熱となる損失なので,ケイ素鋼板のようなヒステリシスループの面積の小さい材料が選ばれます。
 残留磁気の小さな材料は電磁石に用いられ,保持力の大きな材料は永久磁石に用いられます。

 

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