橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成30年(2018年) 電験三種 機械 問1

問1は直流電動機に関する問題です。

 


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 問1

 界磁磁束を一定に保った直流電動機において,$0.5 \Omega$の抵抗値をもつ電機子巻線と直列に始動抵抗(可変抵抗)が接続されている。この電動機を内部抵抗が無視できる電圧200Vの直流電源に接続した。静止状態で電源に接続した直後の電機子電流は100Aであった。

 この電動機の始動後,徐々に回転速度が上昇し,電機子電流が50Aまで減少した。トルクも半分に減少したので,電機子電流を100Aに増やすため,直列可変抵抗の抵抗値を$R_1[\Omega]$から$R_2[\Omega]$に変化させた。$R_1$及び$R_2$の値の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 ただし,ブラシによる電圧降下,始動抵抗を調整する間の速度変化,電機子反作用及びインダクタンスの影響は無視できるものとする。

 

  $$R_1$$ $$R_2$$
(1) 2.0 1.0
(2) 4.0 2.0
(3) 1.5 1.0
(4) 1.5 0.5
(5) 3.5 1.5

 

 


 

答え (4)

 

$R_1$について考えると、
$R_1$は$0.5 \Omega$の抵抗値をもつ電機子巻線に直列に接続されているので、
200Vの直流電源に接続したとき、静止状態で電源に接続した直後の電機子電流は100Aなので、
$R_1+0.5=\dfrac{200}{100}=2\Omega$

$R_1=1.5 \Omega$


次に$R_2$について考えると、
逆起電力$E=V-I_a r_a$より,

電機子電流が50Aのときの、逆起電力は
$E=200-50 \times (0.5+1.5)=100 V$

$N=\dfrac{E}{k \phi}$より、
回転数を一定にするために、逆起電力も一定と考えると,
電機子電流を100Aに増やすときの抵抗$R_2$は,次式のように計算できます。

$100=200-100 \times (0.5+R_2)$
$R_2=0.5 \Omega$