橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和2年(2020年) 電験三種 機械 問8

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  問8

 変圧器の構造に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。


(1)変圧器の巻線には軟銅線が用いられる。巻線の方法としては,鉄心に絶縁を施し,その上に巻線を直接巻きつける方法,円筒巻線や板状巻線としてこれを鉄心にはめ込む方法などがある。

 

(2)変圧器の鉄心には,飽和磁束密度と比透磁率が大きい電磁鋼板が用いられる。この鋼板は,渦電流損を低減するためケイ素が数%含有され,さらにヒステリシス損を低減するために表面が絶縁皮膜で覆われている。

 

(3)変圧器の冷却方式には用いる冷媒によって,絶縁油を使用する油入式と空気を使用する乾式,さらにガス冷却式などがある。

 

(4)変圧器油は,変圧器本体を浸し,巻線の絶縁耐力を高めるとともに,冷却によって本体の温度上昇を防ぐために用いられる。また,化学的に安定で,引火点が高く,流動性に富み比熱が大きくて冷却効果が大きいなどの性質を備えることが必要となる。

 

(5)大型の油入変圧器では,負荷変動に伴い油の温度が変動し,油が膨張・収縮を繰り返すため,外気が変圧器内部に出入りを繰り返す。これを変圧器の呼吸作用といい,油の劣化の原因となる。この劣化を防止するため,本体の外にコンサベータやブリーザを設ける。

 


  答え (2) 

 

(2)変圧器の鉄心には,飽和磁束密度と比透磁率が大きい電磁鋼板が用いられる。この鋼板は,渦電流損を低減するためケイ素が数%含有され,さらにヒステリシス損を低減するために表面が絶縁皮膜で覆われている。

が、誤っています。

 

この鋼板は,「ヒステリシス損」を低減するためケイ素が数%含有され,さらに「渦電流損」を低減するために表面が絶縁皮膜で覆われている。

ヒステリシス損と渦電流損が逆になっています。