橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和2年(2020年) 電験三種 電力 問14

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  問14

 我が国のコンデンサ,電力ケーブル,変圧器などの電力用設備に使用される絶縁油に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

(1)絶縁油の誘電正接は,変圧器,電力ケーブルに使用する場合には小さいものが,コンデンサに使用する場合には大きいものが適している。

(2)絶縁油には,一般に熱膨張率,粘度が小さく,比熱,熱伝導率が大きいものが適している。

(3)電力用設備の絶縁油には,一般に古くから鉱油系絶縁油が使用されているが,難燃性や低損失性など,より優れた特性が要求される場合には合成絶縁油が採用されている。また,環境への配慮から植物性絶縁油の採用も進められている。

(4)絶縁油は,電力用設備内を絶縁するために使用される以外に,絶縁油の流動性を利用して電力用設備内で生じた熱を外部へ放散するために使用される場合がある。

(5)絶縁油では,不純物や水分などが含まれることにより絶縁性能が大きく影響を受け,部分放電の発生によって分解ガスが生じる場合がある。このため,電力用設備から採油した絶縁油の水分量測定やガス分析等を行うことにより,絶縁油の劣化状態や電力用設備の異常を検知することができる。

 


 

答え (1)

 

(1)絶縁油の誘電正接は,変圧器,電力ケーブルに使用する場合には小さいものが,コンデンサに使用する場合には大きいものが適している。

 変圧器や電力ケーブルに使用するものと同じように、コンデンサの誘電正接は小さい方が良い。

 これは、コンデンサにおいても誘電正接δは、誘電損失、δを損失角とも呼んでいます。この損失角δが大きいと損失が大きくなり、発熱が大きくなります。これは、電力ケーブルの充電容量と同じであると考えると良いでしょう。