電験三種 電力 基礎力向上テキスト-17
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3.2 原子力発電の種類
現在日本で稼働している原子力発電は,沸騰水型と加圧水型の原子炉で,軽水炉の原子炉です。
(1)軽水炉
軽水炉には沸騰水型(BWR:Boiling Water Reactor)と加圧水型(PWR:Pressurized Water Reactor)があり,燃料は低濃縮ウランが用いられ,減速材と冷却材には軽水が用いられています。
(2)ガス炉
ガス炉にはガス冷却炉(GCR:Gas-Cooled Reactor)と改良型ガス冷却炉(AGR:Advanced Gas-cooled Reactor),高温ガス炉(HTGR:High Temperature Gas-cooled Reactor)がある。
・ガス冷却炉の燃料は天然ウランで減速材には黒鉛,冷却材には炭酸ガスが主に用いられます。
・改良型ガス冷却炉の燃料は低濃縮ウランで減速材には黒鉛,冷却材には炭酸ガスが主に用いられます。
・高温ガス炉の燃料は高濃縮ウランまたはトリウムで,減速材には黒鉛,冷却材にはヘリウムが用いられます。
(3)重水炉
・軽水冷却炉(新型転換炉ATR:Advanced Thermal Reactor)の燃料は低濃縮ウランやプルトニウムで,減速材は重水,冷却材は軽水が用いられています。
・重水冷却炉の燃料は天然ウランで減速材と冷却材に重水を用いています。
(4)高速増殖炉
高速増殖炉(FBR:Fast BreaderReactor)は燃料に高濃縮ウランとプルトニウムを用い,減速材はなく,冷却材は金属ナトリウムを用います。