電験三種 電力 基礎力向上テキスト-13
amazon kindle版の「電験三種」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
2.2 熱サイクル
2.1 熱力学
(1)カルノーサイクル
カルノーサイクルは理想的な熱サイクルで,図のような4つの変化となっている。
図2.1 カルノーサイクル
(2)ランキンサイクル
汽力発電所(火力発電所や原子力発電所)の基本的なサイクルをランキンサイクルと呼びます。カルノーサイクルと違い,タービン,復水器,給水器,ボイラ,過熱器で構成されています。
A→B:給水ポンプでボイラに加圧して給水します。
・・・・・断熱圧縮
B→C→D:ボイラで加熱され乾き蒸気となります。
・・・・・等圧受熱
D→E:蒸気が過熱器で過熱され,過熱蒸気となります。
・・・・・等圧受熱
E→F:蒸気がタービンで仕事をします。
・・・・・断熱膨張
F→A:蒸気が復水器で水に冷却されます。
・・・・・等圧放熱
図2.2 ランキンサイクル
(3)再生サイクル
復水器で放熱される熱は損失となります。このため,復水器に入る前のタービン中段から蒸気を抽気し,給水加熱器で,給水を加熱する。これによって,熱効率を向上させます。
図2.3 再生サイクル
(4)再熱サイクル
再熱サイクルは高圧タービンから出た蒸気を再熱器で再熱し,この蒸気を中低圧タービンに送り熱効率を向上させたサイクルである。
図2.4 再熱サイクル
(5)再熱再生サイクル
再生サイクルと再熱サイクルを組み合わせた再熱再生サイクルを汽力発電所で使っている。