電験三種 電力 基礎力向上テキスト-7
amazon kindle版の「電験三種」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
1.6 水車
(1)ペルトン水車
ペルトン水車は衝動水車で,落差が250m以上で,流量が比較的少ないときに用いられます。トリチェリーの定理から,位置水頭がすべて速度水頭に変わったとき次式により,流速が決まってきます。
$v=\sqrt{2 gh}[m/s]$ ・・・(1.1.6)
この速度水頭で水車を回転させ,発電を行います。
ノズルの先端にニードル弁があり,このニードルによって流量を調整します。また,出力を急減させる場合には,ノズルからの水流の方向を変えるデフレクタという装置があります。
(2)フランシス水車
フランシス水車は反動水車で,図に示すように流水が,ガイドベーンを通じてランナに入り,ランナを回転させた後に,吸出し管から放水されます。落差は50m~500m程度です。
(3)斜流水車
斜流水車はランナから吸出し管へ斜めに放水する方式で,適用落差は40m~180mです。
(4)プロペラ水車(カプラン水車)
プロペラ水車はプロペラの形をしており,低落差の5m~80m程度に用いられます。プロペラの羽の向きを変えることができる水車をカプラン水車といい,羽根が可動するので,部分負荷でも効率が良い。また,円筒水路の中に発電機とともに設置したものを円筒水車(チューブラ水車)と呼びます。
(5)クロスフロー水車
クロスフロー水車は衝動水車で,主に1000kW以下の小水力発電所で用いられています。近年では地球温暖化対策として,農業用水,工業用水などの小落差の発電にも用いられています。