橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

MENU

電験三種 理論 基礎力向上テキスト-26

amazon kindle版の「最新令和2年版 電験三種(理論)基礎力向上テキスト」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。 

 


第4編 三相交流回路
1. 三相交流

f:id:hashi-rei-channel:20200324091344p:plain

(2)対称三相起電力
対称三相式の起電力は,電圧の大きさは同じで120°ずつ位相がずれているので,基準の電圧を$E_a$とすると,次式のように表されます。
$E_a=E_m \sin \omega t$

$E_b=E_m \sin \left( \omega t-\dfrac{2}{3}\pi \right)$

$E_c=E_m \sin \left( \omega t-\dfrac{4}{3}\pi \right)$

 

 $E_a=E$として,フェーザ表示,複素数表示で表すと,これらの式は次式のようになります。

$E_a=E$

$E_b=E \angle 120^{\circ}=E e^{-j \frac{2}{3}\pi}=E\left( -\dfrac{1}{2}-j\dfrac{\sqrt{3}}{2}\right)$(120°遅れ)

$E_c=E \angle 240^{\circ}=E e^{-j \frac{4}{3}\pi}=E\left( -\dfrac{1}{2}+j\dfrac{\sqrt{3}}{2}\right)$(240°遅れ)

 

ここで,計算を簡単にするため,三相回路では次のように値を決めます。

$\alpha=e^{-j \frac{4}{3}\pi}=e^{j \frac{2}{3}\pi}$

(240°遅れ・・・120°進み)

$\alpha=e^{-j \frac{2}{3}\pi}=e^{j \frac{4}{3}\pi}$

(120°遅れ・・・240°進み)

 

この式から
$E_a=E$
$E_b=\alpha^2 E$(120°遅れ)
$E_c=\alpha E$(240°遅れ)
と簡単に表すことができます。

ここで,
$1+\alpha+\alpha^2=1-\dfrac{1}{2}+j\dfrac{\sqrt{3}}{2}-\dfrac{1}{2}-j\dfrac{\sqrt{3}}{2}$

となることから
$E_a+E_b+E_c=E(1+\alpha+\alpha^2)=0 $

となることが分かります。