橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和元年(2019年) 電験三種 理論 問17

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そちらも見て下さい。

 

問17は計算機(ロジック回路)に関する問題です。

解いてみましょう。


 NAND ICを用いたパルス回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,高電位を「1」,低電位を「0」と表すことにする。 NAND ICを用いたパルス回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,高電位を「1」,低電位を「0」と表すことにする。
(a)pチャネル及びnチャネルMOSFETを用いて構成された図1の回路と真理値表が同一となるものを,図2のNAND回路の接続(イ),(ロ),(ハ)から選び,全て列挙したものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 

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(1)(イ) 

(2)(ロ)  

(3)(ハ)  

(4)(イ),(ロ)  

(5)(イ),(ハ)


(b)図3の三つの回路はいずれもマルチバイブレータの一種であり,これらの回路図においてNAND ICの電源及び接地端子は省略している。同図(ニ),(ホ),(へ)の入力の数がそれぞれ0,1,2であることに注意して,これら三つの回路と次の二つの性質を正しく対応づけたものの組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

f:id:hashi-rei-channel:20200131190005p:plain



性質Ⅰ:出力端子からパルスが連続的に発生し,ディジタル回路の中で発振器として用いることができる。

性質Ⅱ:「0」や「1」を記憶する機能をもち,フリップフロップの構成にも用いられる。

 

   性質I   性質II 
(1) (ニ) (ホ)
(2) (ニ) (へ)
(3) (ホ) (ニ)
(4) (ホ) (へ)
(5) (へ) (ホ)

 


解答 (a):(5),(b):(2)  

 (a)

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PチャネルMOSFETは入力がONのときOFFとなり、OFFのときONとなる。
NチャネルMOSFETは入力がONのときONとなり、OFFのときOFFとなる。

よって、入力が0のとき、上側PチャネルはONとなり、下側NチャネルはOFFのままなので、出力は「1」となる。

次に、入力が1のとき、上側PチャネルはOFFとなり、下側NチャネルはONとなり、出力は「0」となる。

これを同じ
入力が1のとき出力が0
入力が0のとき出力が1
の真理値表を持つものは、(5)(イ),(ハ)

 

(b)

(ニ)性質Ⅰ:出力端子からパルスが連続的に発生し,ディジタル回路の中で発振器として用いることができる。

 コンデンサの充電が0のときを考えます。①が「0」、
このとき、②は「1」となります。抵抗を介して、コンデンサが充電され、ある電圧に達すると、①が「1」となり、②が「0」となります。
 次にコンデンサは、抵抗を通じて放電されまた、反転します。この状態を繰り返すことによって発振を発生させます。

(ホ)の回路はワンショット回路となり、一定時間のパルスを1度出力するものです。

(ヘ)の回路を書き換えると次のようになります。よって、性質Ⅱ:「0」や「1」を記憶する機能をもち,フリップフロップの構成にも用いられる。
となります。

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