基礎から学ぶ高校物理(力学編)-10
基礎から学ぶ 高校物理 (力学)
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1章 物体の運動
1-3 落体の運動
落体の運動というちょっと難しいような表現をしていますが,(1)~(3)式を用いることにより多くの問題は解くことが出来ます。
初速度$v_0[m/s]$,速度$v[m/s]$,加速度$a[m/s^2]$,時刻$t[s]$としたとき,速度は次式となります。
$v=v_0+at$ ・・・(1)
初期位置$x_0[m]$とすると,変位$x[m]$は次式で表されます。
$x=x_0+v_0 t+\dfrac{1}{2} a t^2$ ・・・(2)
初期位置として,式(1),(2)より$t$を消去すると
$v^2-v_0^2= 2 ax $ ・・・(3)
(2)鉛直投げ下し
鉛直投げ下しは下向きを正にとります。このため,式(1)~式(3)の加速度を$a=g$とし,初速度$v_0 [m/s]$,初期位置$x_0=0 [m]$として式を書き直すと,次式のようになります。
$v=v_0+gt$
$x=v_0 t+\dfrac{1}{2} g t^2$
重力加速度は$g=9.8[m/s^2]$で計算します。
計算例
物体を下向きに初速度$v_0=4[m/s]$で投げたときの3秒後の落ちる速度$v[m/s]$と,落下距離$x[m]$を求めなさい。ただし,重力加速度は$g=9.8[m/s^2]$とする。
この場合,下向きを正とします。
速度$v=v_0+g t=4+9.8 \times 3=33.4[m/s]$
落下距離$x=v_0 t+\dfrac{1}{2} g t^2=4 \times 3 +4.9 \times 3^2=56.1[m]$