基礎から学ぶ高校物理(力学編)-9
基礎から学ぶ 高校物理 (力学)
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1章 物体の運動
1-3 落体の運動
落体の運動というちょっと難しいような表現をしていますが,(1)~(3)式を用いることにより多くの問題は解くことが出来ます。
初速度$v_0[m/s]$,速度$v[m/s]$,加速度$a[m/s^2]$,時刻$t[s]$としたとき,速度は次式となります。
$v=v_0+at$ ・・・(1)
初期位置$x_0[m]$とすると,変位$x[m]$は次式で表されます。
$x=x_0+v_0 t+\dfrac{1}{2} a t^2$ ・・・(2)
初期位置として,式(1),(2)より$t$を消去すると
$v^2-v_0^2= 2 ax $ ・・・(3)
(1)自由落下
自由落下は通常下向きを正とします。
式(1)~式(3)の式を変形してみます。
加速度 $a=g [m/s^2]$
初期位置 $x_0=0 [m]$
初速度 $v_0=0 [m/s]$
として、式を書き直してみます。そうすると,次式のようになります。
$v=gt $
$x=\dfrac{1}{2} gt^2$
重力加速度は$g=9.8[m/s^2]$で計算します。
計算例1
物体を静かに離したときの$3$秒後の落ちる速度$v$と,落下距離$x[m]$を求めなさい。
ただし,重力加速度は$g=9.8[m/s^2]$とする。
この場合,下向きを正とします。
速度$v=gt=9.8 \times 3=29.4[m/s]$
落下距離
$x=\dfrac{1}{2} gt^2=4.9 \times 9=44.1[m]$
計算例2
雲の高さが$1000m$として、初速度$v_0=0[m/s]$で空気の抵抗がないとき、地上での速度を求めなさい。
$v^2-v_0^2= 2 g x $に代入して
$v=sqrt{ 2 \times 9.8 times 1000}=140[m/s]=504[km/h]$
となり、時速$500km$で雨が降ってくることになります。