基礎から学ぶ高校物理(力学編)-3
基礎から学ぶ 高校物理 (力学)
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1章 物体の運動
1-1 速さ
(2)変位
○ベクトル
大きさと向きを持ったものをベクトルと呼びます。ベクトルは矢印で表されます。
位置を示すベクトルは位置ベクトルと呼びます。
図2に示すように,$x-y$平面上にベクトルをとるとき,ベクトルの始点を原点に持っていき,矢印の先端が$(x,y)$であるとき,位置ベクトルは$(x,y)$を表す。$(x,y)$はベクトルの成分となります。
※大きさだけの量,速さ,長さなどはスカラーと呼ばれています。
○変位
図3のように,物体が$A$から$B$に移動した場合,ベクトルは$\overrightarrow{AB}$次式で表されます。
$\overrightarrow{AB}=\overrightarrow{B}-\overrightarrow{A}$
このとき,位置が変化したベクトル$\overrightarrow{AB}$は変位と呼ばれます。
ベクトル$\overrightarrow{AB}$は原点の位置が移動しても,大きさと向きは変わりません。点$A$を原点に移動してベクトル$\overrightarrow{AB}$を描いても同じベクトルとなります。
これは成分表示して$A(1,2),B(4,4)$とすると$\overrightarrow{AB}=(3,2)$となり,点$A,B$を原点に移動$x$軸方向に$-1$,$y$軸方向に$-2$すると,$A(0,0),B(3,2)$ですので,$\overrightarrow{AB}=(3,2)$となり,同じベクトルになります。