電験三種の電気数学-13
amazon kindle版の「電験三種の電気数学」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
数字の基礎、指数関数と対数関数です。
1.指数法則
$x \times x=x^2$ 2回かけた2乗
$x \times x \times x=x^3$ 3回かけた3乗
$x \times x \times × \cdots \times x=x^n$ n回かけたn乗
このかけた回数の2,3,nは指数と呼ばれます。
指数法則は次のようになります。
(1)$x^m \times x^n=x^(m+n)$
(2)$x^m \div x^n=x^(m-n) $
(3)$(x^m)^n=x^{mn}$
(4)$ (x y)^m=x^m y^m $
2 対数
指数関数$y=a^x(a \gt 0 , a \neq 1)$のとき、$x$を$y$の関数で表すと次のように表すことができます。
$x=\log_a y$
この式が$x$の対数であり,$a$を底,真数$y$と呼びます。
対数の性質
$a \gt 0, a \neq 1,b \gt 0,b \neq 1,N \gt 0,M \gt 0,k$を実数とするとき
①$\log_a 1=0,\log_a a=1,a^{\log_a N}=N$
$1$は$0$になり、底と同じ数だと$1$になります。
②$\log_a M N=\log_a M+log_a N$
$M \times N$の掛け算は対数で足し算となる。
③$\log_a \dfrac{M}{ N}=\log_a M-log_a N$
$M \div N$の割り算は対数で引き算
④$\log_a M^k=k \log_a M$
$M^k$の指数は、$k$を前にかける
⑤$\log_a M=\dfrac{\log_b M}{\log_b a}$
底を別の同じ値にすると計算しやすくなる。
3 常用対数
常用対数は底を$10$とする対数関数$log_{10}x$です。音の単位デシベルは$20 \log_{10}x$で表されます。このため、$20dB$の違いは$10$倍違います。地震のマグニチュードも実は常用対数を使っており、マグニチュードは次の式で表されます。
$\log_{10} x=4.8+1.5M$($x$は地震のエネルギー)
よって、マグニチュードが$2$違うと$1000$倍違います。東日本大震災はマグニチュード$9$、阪神淡路大震災はマグニチュード$7.3$でしたので地震のエネルギーは、東日本大震災が約$350$倍大きいことになります。
またここでは習いませんが底が$e$の自然対数があります。