橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成30年(2018年) 電験三種 法規 問12

問12は電圧降下に関する問題です。

 


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 問12

 

 図のように電源側S点から負荷点Aを経由して負荷点Bに至る線路長L[km]の三相3線式配電線路があり,A点,B点で図に示す負荷電流が流れているとする。S点の線間電圧を6600V,配電線路の1線当たりの抵抗を$0.32\Omega/km$,リアクタンスを$0.2\Omega/km$とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

 ただし,計算においてはS点,A点及びB点における電圧の位相差が十分小さいとの仮定に基づき適切な近似式を用いるものとする。



(a)A-B間の線間電圧降下をS点線間電圧の1%としたい。このときのA-B間の線路長の値[km]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.39   (2)0.67   (3)0.75   (4)1.17   (5)1.30


(b)A-B間の線間電圧降下をS点線間電圧の1%とし,B点線間電圧をS点線間電圧の96%としたときの線路長Lの値[km]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)2.19   (2)2.44   (3)2.67   (4)3.79   (5)4.22

  


解答 (a) : (2) ,(b) : (1)

(a)
S点線間電圧6600Vの1%は66Vとなる。AB間の距離を$L_{AB}$とすると、
電圧の位相差が十分小さいので、次式のようにおくことができる。

$66=\sqrt{3} \times 150(L_{AB} \times 0.32 \times 0.85+L_{AB} \times 0.2 \times \sqrt{1-0.85^2})$
$0.254=L_{AB}(0.272+0.1054)$
$L_{AB}=0.673 km$

(b)
AB間の線間電圧降下はS点線間電圧の1%、
B点線間電圧をS点線間電圧の96%なので、
SA間の電圧降下は3%となる。

SA間の電圧降下は力率が同じなので200A、0.85遅れ,SA間の距離を$L_{SA}$とすると、
$198=\sqrt{3} \times 200(L_{SA} \times 0.32 \times 0.85+L_{SA} \times 0.2 \times \sqrt{1-0.85^2})$
$0.572=L_{SA}(0.272+0.1054)$
$L_{SA}=1.52 km$
よって、
$1.52+0.673=2.189km$